今回の開催にあたり注目すべきは本年度中に防災庁が発足することです。昨年1月に内閣府防災庁設置準備アドバイザー会議が招集されて8回開催され、私もその一員として参加しました。この会議では防災庁のあり方および方針が熱く議論され、その内容は内閣府防災庁設置準備アドバイザー会議報告書として閣議で承認されました。報告書は内閣府のホームページに公開されています。皆様方には是非この報告書の内容を知っていただき、実際に発足した後の防災庁を見守っていただきたいと思うのです。そこで本シンポジウムではこの報告書を取り上げて、防災庁についてさまざまなセッションで議論したいと思います。一方、避難所の抜本的改善、イタリア型の支援を日本で実現するためには、まず「備蓄」を単なる災害支援物資の倉庫ではなく、支援物資を必要とされる場所へ運ぶ機能までを含めたシステムにする必要があります。そして南海トラフ津波地震や首都直下地震など国難級の災害に備えるためには国・自治体に任せるのではなく、全ての国民が公共(public)として参加し実現させる必要があると思われます。具体的な提案としては国民一人ひとりが災害時のためのお金を出し合い(税金も含めて)、それで災害支援物資及び運搬のトラックなどを備蓄し、さらに国民がこれらを自らの手で運び使うことです。その際に被災地外の国民が協力して行うことが必要です。いわば国・政府・自治体を含めた国民全てがオールジャパン体制で発災前から準備し、発災後は支援していく体制が必要です。これにはこれまでの自助・共助・公序の概念を超えた「公共(public)」の概念が必要であると思われます。本シンポジウムではこの「公共(public)」の支援理念と具体的な方法について議論したいと思います。ぜひ皆様方には本シンポジウムに参加していただき国難級災害に対して思考停止せずに立ち向かう参考にしていただければありがたいと思います。なお本シンポジウムの参加費は新潟県中越地震、中越沖地震、能登半島地震の被災地で行なっているエコノミークラス症候群予防検診費用に充てさせていただきますのでよろしくご理解のほどご協力お願いいたします。
会長あいさつ
震災・災害シンポジウム2026
第12回 新潟県中越大震災シンポジウム開催のご挨拶

榛沢和彦
新潟大学医歯学総合研究科先進血管病・塞栓症治療・予防講座特任教授
エコノミークラス症候群予防・検診支援会会長